「文豪たちのラブレター」には芥川龍之介や石川啄木など、文豪を支えた妻や恋人との愛が詰まっている。
「文豪たちのラブレター」
宝島者 別冊宝島編集部 編(2018年9月21日発行)
彼ら日本を代表する文豪たちは、一体どんな恋をしていたのか。
この一冊には、のちに妻となる女性や、恋人、愛人に送った恋文が
綴られた一冊です。
各作家が宛てた手紙の一部 を紹介
芥川龍之介はのちの妻、塚本文へ
「この頃ボクは文ちゃんがお菓子なら頭から食べてしまひたい位可愛い気がします」
樋口一葉から師、半井桃水への憧れや恋情を込めて
「いつまでもいつまでも、お力にすがりたい願いでございます」
国木田独歩からの、のちの妻、佐々城信子へ
「時にわが信子よと親しく呼ぶことを許してください」
坂口安吾から恋人、矢口津世子へ
「手紙はやつぱりいけない。会って下さい」
高村光太郎からのちの妻、長沼智恵子へ
「さつき手紙を書きましたが又書きます」
佐藤春夫からのちの妻、谷崎千代(谷崎潤一郎 妻)へ
「ああ、私も妻がほしい、子供もほしい。人間なみの幸福をうけたい」
谷崎潤一郎からのちの二番目の妻、古川丁未子、のちの三番目の妻、根津松子へ
「今日から御主人と呼ばして頂きます」「あなたの支配の下に立ちたいのです」
若山牧水から片想いの石井貞子、のちの妻太田喜志子へ
「お写真を一枚是非下さい」「一目を忍び合ふ心持をも味ひませうよ」
倉田百三から恋人、山本久子(仮名)へ
「私はあなたにはセックスを求めません。キスも握手もなくていいのです(したくないのではない、抑へるのです)
太宰治から愛人、太田静子へ
「コヒシイ」「雨の日に、一日一ぱいお話したい」
有島武郎から「お仲良し」唐澤秀子、愛人波多野秋子へ
「愛人としてあなたとおつき合ひする事を、私は断念する決心をしたからです」
「一日でも長く生きていて下さい」
石川啄木から恋人、菅原芳子へ
「なぜあなたの柔らかい玉の肌を抱き、その波うつ胸に頭を埋めて覚めることのない夢に酔うことができないのか」
北原白秋からのちの妻、福島俊子へ
「たんと浮気をなさい」(不倫の頃)
夏目漱石から妻、夏目鏡子へ
「おれの様な不人情なものでも頻りに御前が恋しい」
森鴎外から妻、志げへ
「やんちゃのしげ子どの」
堀辰雄からのちの妻、加藤多恵子へ
「君の顔を見たので急に元気になつた」
多くが明治から大正時代にかけて活躍した作家たち。
相手を思い手紙を書き、ポストに入れる。
「手紙は相手に届いただろうか」「私の思いをどう受け止めたのだろうか」「返事は来るだろうか」
家のポストに、思ひ人の便りが届くまで、決して”既読”はつかない。
だからこそ、愛は大切に育てられたのでしょう。
そんな事を考えていたら、
「会えない時間が、愛育てるのさ〜(よろしく哀愁)」
を歌っている郷ひろみが頭に浮かんできた
確かにカテゴリーは近いが、今じゃないと思うのだが、
頭から離れない...。