どーむはうす生活日誌

ドームハウスで生活しています。田舎暮らしのあれこれについて紹介します。

『星をつなぐ手 −桜風堂ものがたり−』村山早紀

『星をつなぐ手 −桜風堂ものがたり−』村山早紀 著 PHP研究所


この物語は、2017年に本屋大賞5位になった、前作『桜風堂ものがたり』の続編として発売されました。

 

この作品の舞台は、地方の小さな書店(桜風堂)という事もあり、まさに現在の地方書店、いや小規模な書店すべてと言って良いのかもしれませんが、大型店やインターネット販売の影響を受け、厳しい経営状況にある事がこの物語の中からも理解できます。

 

個人的にはやっぱり小さな本屋さんが大好きで、30分くらいかけて、店内をじっくり探検するのが趣味の一つなのですが、僕の場合、不思議と本屋さんとの相性みたいものがあって、好きな本屋さんでは、店内にいるだけで、なんだか落ち着くし、本との出会いも多くて、いつも心の中で「さすがにわかってるなぁ」と、にやけたりしています。

 

さて、この物語の中では、そんな厳しい経営状況であっても、人と人との繋がりや創意工夫、TwitterFacebook などSNS等によって思わぬ形でプラスに働くことがあって、工夫次第では、まだまだ地方の書店も頑張れるのだと思わせてくれる、温かなストーリーになっています。

また、この物語の登場人物も愛らしく、主人公と今回の作品でも深い関係にある銀河堂書店(中規模書店)では、それぞれが担当する文庫や児童、文芸コーナーに誇りを持って働いている事を教えてくれたり、地方の小さな書店では、まわりの商店も過疎化が進んでいるからこそ、みんなで力を合わせて町おこしをするという、温かい人たちの心温まるストーリーを作ってくれています。

 

最後に、登場人物の恋の行方も今回の続編で描かれていますので、読んでない方は前作「桜風堂ものがたり」を先に読むことをお勧めします。

 

是非、ドキドキの刺激ではなく、○回泣けましたではなく、読書後にほっこりしたい方は、手に取って見てください。

 

 

桜風堂ものがたり

桜風堂ものがたり

 
星をつなぐ手 桜風堂ものがたり

星をつなぐ手 桜風堂ものがたり